従来型の紙で作成した定款の認証を受ける場合には,通常,同じ内容のものを3部作成し,公証人に提出(認証の嘱託を申請)します。これらは公証役場保存用・登記申請用・会社控用となります。
認証の嘱託申請にあたっては,その定款が真正に作成されたものであることを証するため,定款作成者(「発起人」又は「社員になろうとする者」)の全員が,作成した定款に実印を押印するとともに,公証役場に出頭して印鑑証明書をあわせて提出することになっています。
公証人法では,認証を行うに際して面前性の原則が採用されています。嘱託人は,作成した定款と印鑑証明書を持って,公証役場に出頭しなければならないのが原則です。
電子認証は,公証役場への嘱託申請・公証人による定款認証をオンラインで行う,というシステムです(平成19年4月から導入されました)。
定款の認証を受けようとする嘱託人(発起人等)は,定款をワープロソフトなどで作成したのち,所定のファイル形式(PDF)に変換・保存の上,あかかじめ指定されている電子証明書を用いてデジタル署名します。
嘱託人は,このデジタル署名済のPDFファイル(定款)を,法務省オンライン申請システムを用いて,法務省のサーバーにアップ(電磁的記録の認証の嘱託申請,嘱託情報を送信)します。このとき,どこの法務局所属の公証役場・指定公証人の認証を受けることにするかを,嘱託人が選択したうえ,その指定公証人にあらかじめ連絡をしておきます。申請を特定するための「申請番号(17桁)」が送られてきますので,それを保存しておきます。
(指定)公証人は,公証役場備え付けの専用のオンライン回線を用いて,法務省のサーバーにアクセスし,その嘱託情報を確認します。
その後,嘱託人は,公証役場に出頭します。確かに申請人の真意に出た嘱託申請であることが確認されると,指定公証人はオンライン上でその定款に認証を与え,そのデータのコピーを記録媒体に格納して嘱託人に交付します。嘱託人はこの認証のための出頭のとき,「同一の情報の提供」(従来型の紙ベース謄本の交付)を受けることができます。なお,認証手数料・電子保存手数料・同一の情報の提供に要する費用は,このときに公証役場に納付します。
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一つ前の電子認証システムにおけるのと同様に,原始定款作成時(認証時)に納付すべき印紙税(4万円)は不要です。嘱託人は,その後,登記申請手続に進みますが,ひとつ前のシステムとは異なり,すでに認証済みの定款は,電磁的記録の形で法務局(法務省サーバー)にUPされている状態になっています。
なお,オンライン電子認証を受けた発起人等が登記申請手続を行う場合には,次の2通りの方法を選択できます。
1 商業登記オンライン申請システムを用いて,設立登記申請もオンラインで行う方法
2 従来型の紙の申請書・添付書類などを作成し,定款は認証済み定款と「同一の情報」(FD or 紙ベース)を法務局窓口に提出する方法
1の方法をとる場合には,申請人((代表)取締役)が,あらかじめ所定の電子証明書を取得の上,オンライン申請システムの環境を整えておく必要があります。申請システム上では,すでに認証を受けた定款の「申請番号」を入力することになります。なお,証明書など一部の書類は,別途法務局に提出することになります。
2の方法の場合には,形式上は,ひとつ前の方式(電子認証済定款が格納されたFDの添付・提出)と変わりませんが,すでに認証済定款は法務省サーバーにUPされていますので,認証済定款そのものを添付しているわけではありません(このあたりの仕組みはあまり気にする必要はないでしょう)。

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