内容証明(郵便)

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内容証明(郵便)とは

内容証明(郵便)は,差し出した書面の内容・差出日等を,郵便局長が証明する特殊取扱郵便物です。
通知の内容や存在・日時等が客観的資料として残るため,特に裁判外における法的書面として用いられることが多いといえます。

 内容証明(郵便物)は,郵便法・郵便約款の規定に基づき,日本郵政公社(以下,「公社」)が実施する特殊取扱の一つです。

 その名のとおり,差し出した郵便物の内容等を第三者である公社郵便局長に証明してもらえるものです。

 通知文書の内容それ自体だけでなく,いつ(差出日付)・誰に対して(宛先)送付したかが残りますので,特に裁判外における意思の通知に適しているといえます(後日,裁判・督促手続などにおいて書証として有利に援用できる場合があるほか,裁判外での自主的紛争解決を促す一定の効果も期待できる場合があります)。
内容証明郵便は,集配郵便局及び公社が定める郵便局(内容証明取扱局)において差出すことができますが,窓口に提出すべき通数・文字数や行数などの体裁など,あらかじめ定められている差出方法に従って作成する必要があります(なお,電子内容証明では,最大文字数の制限がある点を除いて体裁は自由です)。
 なお,会社や自宅のパソコンから,インターネットを利用して内容証明を出すこともできるようになりました(電子内容証明)。
 ただ,事前に利用申込が必要であったり,対応しているOSの制約があります(現在のところWindowsXPはSP2には非対応)。

【参考条文】
郵便法
第57条  公社は,この節に定めるところによるほか郵便約款の定めるところにより,書留,速達,引受時刻証明,配達証明内容証明,代金引換,特別送達,年賀特別郵便その他の郵便物の特殊取扱を実施する
内国郵便約款
第127条 第1項  公社は,郵便物の内容たる文書の内容を証明する内容証明の取扱いをします。
第2項  内容証明(点字内容証明を除きます。以下この節において同じとします。)とする郵便物(以下「内容証明郵便物」といいます。)は,集配郵便局及び公社が別に定める郵便局(以下「内容証明取扱局」といいます。)において,次により取り扱います。
(1) 第129条(内容証明郵便物の差出方法)の規定により提出された内容たる文書とその謄本とを対照して符合することを認めたときは,内容たる文書及び謄本の各通に,差出年月日,その郵便物が内容証明郵便物として差し出された旨及び郵便局長名を記載し,並びに通信日付印を押印すること。
(2) 謄本のうち1通は,郵便局においてこれを保存し,これと内容たる文書及び他の謄本とを通信日付印で契印すること。
(3) 謄本が2枚以上あるもののつづり目及び謄本の文字又は記号の訂正,挿入又は削除に関する記載がある所には,通信日付印を押印すること。
(4) (1)から(3)までの規定により証明された謄本のうち郵便局において保存するもの以外のものは,差出人に交付すること。
(5) (1)及び(2)の規定により証明した内容たる文書は,郵便局職員の立会いのもとで差出人においてこれを郵便物の受取人及び差出人の氏名及び住所又は居所を記載した封筒に納めて封かんしていただいた上で送達すること。


内容証明郵便の活用法

内容証明(郵便)それ自体は通常の書簡と変わりありませんが,差出日・宛先・文書の内容等について証明を受けられる(資料として残る)という性格上,裁判外における法的文書(通知等)に適しています。

 内容証明郵便は,第三者である郵便局長の証明が得られる点を除いては,通常の書簡とあまり違いがないとも言えます。

 ただ,文書の内容・差出日・宛先などが客観的資料として残る性格上,活用の仕方によっては通常の書簡やメールなどでは得られない効果を期待できることがあります。
 
 私人間の法律関係が問題となっているとき,相手方に対する意思表示が法律効果発生の要件となっている場合があります。
 例えば,典型的な例としては,各種消費者保護関連法規に基づくクーリングオフ制度による契約解除あるいは申込・承諾の取消があります。
 クーリングオフは,根拠法によって異なるものの,法定書面の交付を受けてから一定の事項を記載した書面を発する(投函する)ことが必要とされています。
 
 この解除・取消の意思表示は,消費者保護の観点から,発信主義(隔地者間の意思表示の効力発生時期につき到達主義を原則とする民法の例外)が採用されています。
 法定書面にはクーリングオフの方法として葉書を利用する方法が記載されていることがありますが,のちの二次的トラブルを防止する観点からも,内容証明郵便を利用するのが安心です。

 内容証明郵便で差し出していれば,業者が「(解除の通知を)受け取っていないのだから,最初から出していないのではないか」と言いがかりを付けることはできなくなります。

 なお,クーリングオフでは必須ではありませんが,内容証明郵便には配達証明を付けるべきでしょう(内容証明のみでは相手方が受領したことまでは証明してくれません)。

行政書士による代理通知

行政書士は,権利義務・事実証明に関する文書の作成・代理を業とする一般法律専門職です。

 内容証明郵便を用いて通知する内容には,特段制限はありません。

 極端な場合,「ふざけるな,この野郎」などと記載することも(内容証明郵便が通常の書簡と変わりがない点からは)できなくはありません。

 しかし,上述のような感情の吐露のみを目的とする内容証明の利用は,法的な解決という観点からは好ましくありません。
 かえって紛争を肥大化・長期化させてしまっては逆効果です。通知文書の内容によっては,正当な権利行使をするつもりが,逆に権利行使に仮託した恐喝行為等ととられる虞もあります。
 
 市販の書式集を参考にする方法であれば,前述のような問題は生じないかもしれません。
 しかしながら,トラブルの事案にはひとつとして同じものはありません。果たしてその一般的書式が自社・自分の巻き込まれている紛争解決にとって適切かつ効果的なものであるかの検討は不可欠です。
 行政書士は,権利義務・事実証明文書の作成・代理,そのための法的相談に応じることも業としている一般法律専門職です。

 内容証明郵便を送付しようとする場合,果たしてその方法が客観的にみて紛争の解決に資するかどうか・文案の工夫・クーリングオフなどの制度の適用による解除・取消が可能かどうか(法律要件を充足するかどうか)の検討・法的助言も受けられますし,作成を依頼することもできます。

 意外に知られていないのですが,行政書士には文面を作成依頼するだけはなく,代理権を授与して代理作成・送付を依頼する方法もあります。

 「通知代理人 行政書士○○○○」(職印押印)という記載がなされますので,専門職による検討・法的裏づけがある文書として差出すことができます。

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